100g未満のドローンを飛ばすときに気を付けるべきこと【2026年7月改正対応】
「100g未満のドローンなら登録もいらないし、自由に飛ばせるんでしょ?」
そう思っている方、実はかなり危険です。
たしかに2022年6月の航空法改正で、規制の対象は「200g以上」から「100g以上」に変わり、100g未満の機体は「無人航空機」ではなく「模型航空機」という扱いになりました。
機体登録や飛行申請(DIPS)が不要なのは事実です。
しかし、「登録不要」と「ルールなし」はまったく別の話。
100g未満でもそのまま適用される法律がいくつもあり、しかも2026年7月14日には規制がさらに厳しくなる法改正が施行されたばかりです。
この記事では、100g未満のトイドローンを飛ばす前に知っておくべきルールを、「法律 → 条例 → マナー」の順に整理して解説します。
まず前提:「100g未満」はバッテリー込みの重さ
最初に押さえておきたいのが重さの数え方です。100gの判定は機体本体+バッテリーの合計重量で行います。カタログに「99g」と書いてあっても、バッテリーを含まない数字なら要注意。
なお、プロペラガードなどの取り外し可能な付属品は含まれません。
具体的には、国土交通省が出している資料「無人航空機に係る規制の運用における解釈について」をご参照ください。
バッテリー込みで100g未満なら「模型航空機」となり、以下が原則不要になります。
- 機体登録(リモートID搭載も不要)
- 飛行のたびの許可・承認申請
- 夜間飛行・目視外飛行などのルール(航空法上のもの)
ここまでは「緩和される話」。ここからが本題の「それでも守るべきルール」です。
それでも適用されるルール①:航空法(一部)
100g未満でも、飛行機やヘリコプターの安全に関わる部分は航空法の対象です。
- 空港やヘリポートの周辺では飛ばせない
- 高度150m以上の上空は飛ばせない
- 緊急用務空域(災害時などに国が指定する空域)は飛行禁止
災害が起きたとき「トイドローンだから」と飛ばすと、救助ヘリの邪魔になり航空法違反になります。ニュースで大きな災害を見たら、まず緊急用務空域が指定されていないか確認する習慣をつけましょう。
それでも適用されるルール②:小型無人機等飛行禁止法【2026年7月に大改正】
100g未満ドローンにとって、いまいちばん注意すべき法律がこれです。
警察庁が所管する法律で、国の重要施設の周辺での飛行を禁止しています。
この法律には重さの下限がありません。 100g未満どころか、理屈のうえでは1gの機体(そんなのないけど)でも対象です。
「軽いから大丈夫」がまったく通用しない法律です。
この範囲にお住まいの方が、庭で100g未満のドローンを飛ばす事も許可がないとできません。
2026年7月14日から規制が大幅に強化されました
つい先日施行された改正で、次の2点が大きく変わりました。
- 飛行禁止エリアが「周辺300m」から「周辺1,000m」に拡大
対象施設からおよそ1kmの範囲が飛行禁止になりました。単純計算で禁止エリアの面積は約10倍。今まで飛ばせていた場所が、ある日突然禁止エリアになっている可能性があります。
- 周辺エリア(イエローゾーン)での飛行が「直罰化」
改正前は、警察官の警告や命令に従わなかった場合に罰則が科される仕組みでしたが、改正後は飛ばした時点で即・処罰の対象になりました。周辺エリアで6月以下の拘禁刑または50万円以下の罰金、施設の敷地上空(レッドゾーン)なら1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です。
対象になる施設の例
- 国会議事堂、首相官邸、皇居
- 原子力発電所
- 自衛隊・在日米軍の基地
- 空港(主要なもの)
- 外国の大使館など
「基地や原発の近くなんて飛ばさないよ」と思うかもしれませんが、自宅や公園が対象施設から1km圏内というケースは珍しくありません。飛ばす前に、警察庁のウェブサイトで公開されている対象施設の一覧・地図を必ず確認してください。
それでも適用されるルール③:電波法
ドローンは電波で操縦・映像伝送をするため、電波法も関係します。ポイントは2つです。
技適マークのない機体はNG
海外通販で買った安いトイドローンには、日本の技術基準に適合した証である「技適マーク」がないものがあります。技適のない機体は、日本国内で電源を入れて電波を出すだけで電波法違反になり得ます。購入前に技適マークの有無を必ず確認しましょう。
FPVで飛ばすなら資格が必要な場合も
ドローンのカメラ映像をゴーグルで見ながら飛ばすFPVは、使う周波数によってルールが変わります。
| 周波数帯 | 必要なもの |
|---|---|
| 2.4GHz帯(技適マーク付き) | 資格不要 |
| 5.8GHz帯・趣味用途 | 第四級アマチュア無線技士以上の資格+アマチュア無線局の開局 |
| 5.8GHz帯・業務用途 | 第三級陸上特殊無線技士以上の資格+業務用無線局の免許 |
注意したいのは、資格を取るだけでは足りず「無線局の開局」という手続きもセットだという点。レース用の小型FPVドローンは5.8GHz帯のものが多いので、購入前に確認が必要です。
私の場合、業務用として利用しておりますので、第三級陸上特殊無線技士の資格と業務用無線局の免許状を有しています。そのため、お仕事としてFPVドローンでの撮影が行えています。
それでも適用されるルール④:条例
意外な落とし穴が自治体の条例です。
代表例が公園。都立公園や国営公園の多くは、重さに関係なくドローンの飛行自体が禁止されています。市区町村の公園も、条例や公園管理者のルールで禁止されていることが多いです。
私が経験した中では、大阪市の公園や公共施設は一律で禁止との事でした。
飛行計画書を持参して相談をしましたが、丁重にお断りされた経験があります。
おそらくこれを可能にするなら政治的なアプローチが必要になるのではと考えています。
地域の議員さんとの繋がりを持ち、許可を得られるような仕組みづくりをしてもらう。
あくまで私の考えですが、実現にはなかなかハードルは高そうです。
「広くて人が少ないから公園で練習しよう」は、実はいちばんやりがちな違反パターン。飛ばしたい場所の自治体名+「ドローン 条例」で検索するか、公園の管理事務所に確認しましょう。
法律以外でも気を付けたいこと
他人の土地の上空
他人の私有地の上空を勝手に飛ばすと、土地の所有権をめぐるトラブルの原因になります。住宅街での飛行は避け、飛ばす場所の地権者に許可を取るのが基本です。
プライバシー・肖像権
カメラ付きドローンで撮影した映像に他人の顔や家の中が写り込んだ場合、そのままSNSに投稿するとプライバシー侵害になるおそれがあります。撮影した映像の扱いには十分注意しましょう。
保険への加入
100g未満のトイドローンでも、落ちれば物を壊し、人にケガをさせることがあります。ドローン用の賠償責任保険は年数千円程度から入れるものもあるので、屋外で飛ばすなら加入をおすすめします。
落とさなくても、公共交通機関の運行に影響を与えれば、それに伴う損害賠償を要求される可能性もあります。
軽いからこそ風に弱い
100g未満の機体は風にとても弱く、突風で一瞬にして流されます。屋外では風速を必ず確認し、少しでも風が強い日はやめる判断をしてください。目視できる範囲で、人や車から離れて飛ばすのが鉄則です。
じゃあ、どこで飛ばせばいいの?
ここまで読むと「飛ばせる場所がないのでは…」と思うかもしれませんが、大丈夫です。
- 自宅の室内 … 航空法も禁止法も屋内には適用されません。練習に最適
- 許可を得た私有地 … 禁止エリア外で、地権者の許可があればOK
- ドローン練習場・室内飛行場 … 全国に増えています。設備が整っていて安心
まずは室内で操縦に慣れてから、ルールを確認したうえで屋外デビューするのがおすすめです。
まとめ:飛ばす前のチェックリスト
100g未満のドローンは「登録不要」であって「ルール無用」ではありません。飛ばす前に、この5つを確認しましょう。
- バッテリー込みで本当に100g未満か確認した
- 飛ばす場所が重要施設の周辺1km圏内(2026年7月拡大)に入っていないか、警察庁のマップで確認した
- 機体に技適マークがある(FPVなら周波数と資格・開局も確認)
- 公園などの場合、条例や管理者のルールで禁止されていないか確認した
- 天候(特に風)を確認し、保険にも入っている
飛ばす場所が重要施設の周辺1km圏内に入っていないか確認する手段として、ドローンフライトナビというアプリもあります。こちらは私もよく利用しており、法律の改正も反映されていました。無料で使えますのでダウンロードして使ってみてください。
ルールを守れば、100g未満のドローンは手軽に空撮や操縦を楽しめる素晴らしい趣味になります。特に2026年7月の改正は「知らなかった」では済まされない内容なので、飛ばす前の確認を習慣にしてください。
※本記事は2026年7月時点の情報に基づいています。最新の規制は国土交通省・警察庁・総務省の公式サイトでご確認ください。
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